新スピード指数の考察③ 各競馬場の芝のクッション値の特徴と傾向

芝のクッション値は、2020年9月からJRAが公表を開始した指標で、

この記事公開時点で5年強のデータが蓄積されてきましたので、

分析データとして有効的に使用できるものになってきていると思います。

各競馬場ごとのクッション値の傾向

主要4場(東京・中山・京都・阪神)の傾向

中央場所と呼ばれるこれら4場は、開催日数も多く、馬場管理の工夫によって数値がコントロールされています。

東京競馬場:高速だが数値は控えめ

東京競馬場は「日本一軽い(速い)馬場」と言われますが、意外にもクッション値は10.0を超えにくいという特徴があります。これは、路盤に他の競馬場よりも多くのバーク堆肥を混合しているとのことで、排水性が高いかつクッション性がある構造になっているためのようです。

  • 傾向: 概ね「9.0〜9.5」前後で安定。
  • 特徴: 数値がそれほど高くなくてもコース形状(緩やかな勾配、長い直線)によって時計が出やすいコースとなっています

中山・京都競馬場:数値が跳ね上がりやすい

中山と京都は、乾燥するとクッション値が10.5を超える「硬め」の状態になりやすい傾向があります。

中山は東京よりも山砂の割合が多く、京都は路盤に比重の軽い堆肥のピートモスが使用されていることから、軽くてクッション値の高い馬場になりやすい傾向にある。

  • 傾向: 良馬場では「10.0〜11.0」程度まで上がることが多い。
  • 特徴: 特にリニューアル後の京都競馬場は、路盤が安定してきたことで数値が高く出やすくなっており、パワーよりもスピード・持続力が問われる。直近の2025年は10~11に落ち着いてきたものの、2024年の後半は平均して11.5程度あり、超高速馬場でした。

阪神競馬場:標準的で安定

阪神は比較的、JRAの基準である「標準(8〜10)」に収まり安定しています。

主要4場の中では平均的に一番クッション値が低く、コースの勾配もあるためタフな競馬場と言えます。

  • 傾向: 「8.5〜9.5」程度で推移。

ローカル競馬場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)の傾向

札幌・函館:洋芝でクッション値が低い

北海道の2場は、100%「洋芝」を使用しているため、他の競馬場とは全く異なる数値を示します。

  • 数値: 7.0〜8.5程度(軟らかめ〜標準)
  • 理由: 洋芝は保水力が高く、路盤もで地下の根が密集し「マット層」を作るため、クッション性が非常に高くなります。
  • 傾向:ここで時計が速くなるのは、クッション値が高いからではなくコースが平坦かつ「芝の生育が良いから」という特殊な環境。

中京競馬場:回り方以外は中山競馬場と酷似

 路盤に使用されている山砂、バーク堆肥が同じものが使用され、クッション値も年間通して中山競馬場と

 同じレンジで推移していることから、コース形態、左回りということ以外は似た競馬場であるといえる。

  • 傾向: 路盤の構造上、東京ほど時計が出ず、クッション値も「8.5〜9.5」付近で推移することが多い

小倉競馬場:路盤に使用する砂の違い

夏は雨、冬は雪と天候の影響がクッション値にそのまま影響する競馬場で、直近2年では7.5~10.2と

全場の中で一番乖離が大きい。

また、路盤の山砂が他の競馬場よりも荒いものが使用されており、芝の損耗が他のコースより大きいか。

全体コース幅は広く、開催中のコース変更も良くされているが、それでも後半のトラックバイアスの影響が大きく

なり、開催中に内前⇒外差しが顕著に変わる。

  • 標準的な数値: 8.5 〜 10.0
  • 特徴: 冬は柔らかく、夏は雨が降らなければ固め。天候によるトラックバイアスの影響大

新潟競馬場:数値以上に「軽さ」が際立つ

新潟競馬場は、日本で唯一の直線1000mコースを擁する、非常に平坦でスピードが出やすい競馬場です。

  • 標準的な数値: 9.0 〜 10.0
  • 特徴: 新潟開催は全場で唯一野芝100%で行われるため、クッション値以上に軽さがある。

福島競馬場:ローカルの中では高速化が進んでいる競馬場の一つ

福島競馬場は、1周距離が短く、かつアップダウンがあるため、馬場への負荷が非常に高いのが特徴です。

  • 特徴: 小回りの凸凹コースで「春・夏・秋」の3回開催があるが、直近はクッション値は安定しており、大きな天候の影響がなければトラックバイアスのみを考えればよい
  • 傾向: 福島の路盤は比較的ソフトに作られており、クッション値が低め。しかし、直近2年は9~10の
       開催が多く、高速化が著しい競馬場の一つ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です